君といつまでも
〜第10章〜 決断 (櫻井視点)
『私、一人でこの子を産んで、育てる。』
あれから1週間たった今でも、その言葉が頭から離れない。
俺はどうするべきなんだろう。
俺は――
「翔君?しょぉ〜君!」
「え……。」
相葉の声でふと我に返る。
「どうしたの?無表情でボーっとしちゃってさ。」
「あ…まぁ、ちょっと考え事してた。」
”あの事”で悩んでいただなんて、とてもじゃないけど言えない。
なんせ、これは俺たちの問題だ。
相葉に迷惑なんかかけられない。
「――まぁそれならいいんだけどさ。」
相葉はそう言うと無造作に携帯をいじりだす。
そんな相葉をよそに俺は再び悩みモードに突入する。
すると、ふと、一組の親子が目に入った。
「わぁ……あの親子すごい幸せそうじゃない?」
「あぁ。」
「俺もいつかあんな風になりたいねぇ♪」
相葉が目をキラキラさせながら言う。
俺はただ呆然としていた。
呆然と、その親子を見つめていた。
俺はああなるのを拒んでいる――?
俺は一つの命を消そうとしている――?
俺は――
「――ごめん。俺ちょっと急用。」
「…ぬえ?!俺の買い物付き合ってくれるんじゃなかったの?!」
「またにして。」
俺は駆け出した。
今すぐこの思いをに伝えたい。
――いや、伝えなくちゃいけない。
(…。俺やっぱ――)
全力で家に向かって走る。
そして家に着くと、いつもがいるリビングへ駆け込む。
「――翔……?!」
「ごめん…。」
「ごめん…って――。」
「俺、自信がなかったんだ。」
の口が小さく「どういうこと…?」と動く。
俺はそんなの前にへたりと座り込んでしまう。
「その子の父親になることが、不安でしょうがなくて。――だからあの時何も言えなかった。」
「翔……。」
「でもやっと踏ん切りがついた。」
「てことは…。」
「その子の父親になる。――だから」
俺は深く息をした。
そして、の細い肩をそっと包み込む。
「俺と結婚してください。」
☆あとがき☆
ありきたりな展開でゴメンナサイ。。
ていうかこの話次回で終わりですよ!
いやぁ長かった…。ホント(汗)
まぁ、最終回をお楽しみに?!