君といつまでも

〜第3章〜 悪夢 (葉月視点)





「私は――これから起こる出来事なんて全く予想もせず、無防備に図書室へと向かったの。」



そう。

それが命とりだった。





















静まりかえった図書室。




まだ彼は来ていないようだった。


私は暇つぶしに本を手に取るとパラパラとめくる。
といっても読む気はなかったので、ただボーっと本を眺めていた。







『もしかして…まだ元彼のことが忘れられへんの?』







ふいに、に言われた言葉が脳裏をよぎる。
それと同時に再び”潤といた時のキヲク”が頭の中を駆け巡る。


私は軽い頭痛を感じた。



メモ残して帰ろうかなと考えたが、たいしたことないと思い、ひたすら彼を待った。










そして”その時”は訪れた。













   ―ガラガラ…―





「!」

「わりぃ、遅れてもうたわ。」


渡辺君が申し訳そうな顔をして図書室に入ってくる。
けど、私はその何気ないしぐさに不信感を抱いた。





――なにか…変……。





そう思っているといきなり渡辺君が話し始めた。


「いきなり呼び出してもうて…ごめんな。」

「う…ううん!全然。ヒマだったし!で話って?」





「俺さ、前からのこと、好きやったんや。」





予想していた言葉が発せられる。





けど――








これだけでは終わらない気がする。



そして


その思いは見事的中してしまった。












「……きゃぁっ?!」











いきなり手首を掴まれ、床に押し倒される。
それが合図だったかのように、図書室の外から他の男子が入ってきた。


「ちょ……他にもいたの?!」

「そうや。ちなみにここにいる5人全員、のことが好きで好きでたまらんのや。」


渡辺君の顔が悪魔と化す。
他の男子も次々と私に近づいてくる。


「やだ…。やだっ!来ないでぇっっ!!」

「シッ!あんま大声出すとこのことがバレるで。」

「まぁ、がそれでええんならええんやけどね。」


他の男子が次々と言う。





「あんたたち…。ホントに私のこと好きなのっ?!」




彼らの残酷な態度に私は思わす叫んだ。
すると、まるで制裁のごとく、首筋に深くシルシをつけられた。




「痛いっ!!」







「あぁ、好きや。好きやからこういうことしてぇんだよ。」






完全に悪魔と化した渡辺君が私に覆い被さる。





――私は、悪夢を見た。












それ以後、彼らは私に関わることはなかった。

いや、私が自ら関わらないようにしていたと言う方が正しいだろう。



あの忌まわしいキヲクは私に深いココロの傷を負わせた。









そして、”トラウマ”というものを生み出してしまった。






☆あとがき☆
3話目にしてヒロインの過去が大暴露完了(?!)です。
あとは、翔君がどういう行動に出るか…ってトコかなぁ?
ここからですよ、この話は(爆)











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