君といつまでも

〜第8章〜 一筋の光 (視点)





あの後のことはよく覚えていない。





ただ――


最後に「ごめん。」とだけ言い残して去っていく渡辺君の姿は今でも鮮明に思い出せる。
逆に、その後のことは全く覚えていない。





それもそのはずだった――。































「お、気づいたか。」


私は見知らぬ部屋のベッドで横たわっていた。
翔はずっと側に付き添ってくれていたのか、ベッドにもたれかかって座っていた。


「ここは……?」

「俺んちだけど。」

「翔の家――?」






てことは。










「ごめん!!これ翔のベッドなのに私――。」







私は急いで起き上がろうとする。


――その時。







急にふらりとした。



「――っとぉ…。危ねぇ……。」


倒れそうになった私を、翔は優しく抱きとめてくれた。


「ったく…気をつけろよな。」

「……はぃ…。」


私がそう答えると、翔は私をそっと抱きしめた。







翔の胸はあったかくて広くて
私のボロボロだった心と体をさらに癒していく――










「――。」




翔の胸に顔をうずめている私の頬に翔の温かい手が、そっと、触れる。


その手はやがて唇に到達し、そっとなぞる。





私は一瞬ビクッとしたが、なぜか恐怖を感じなかった。
それを悟ったのか、翔は私の唇に触れた。







最初は軽く、だんだん深く――



そして次第に甘さを増す。









「ん……っ。」


思わず声を漏らす。





翔は唇を離すと今度は私の首筋に唇を寄せた。
と同時に、左手はブラウスのボタンに手をかける。







――ここまできても、未だ恐怖を感じない。







時々、あの悪夢が頭をよぎるのだが、すぐ翔のことで頭がいっぱいになる。







(翔だから大丈夫――)






そんな気持ちでいっぱいになるのだ。


だって、翔は私を愛してくれている。






そして私も――










「……翔…。」

「ん?」









「愛してる。」










そう言うと私は目を閉じた。



翔は言葉の代わりに優しい口付けで答えた。
















    ――やっと…暗闇の中に一筋の光が射し込んだ――






☆あとがき☆
いやぁ〜〜とうとうやっちゃいましたよ。
まぁここは表なんでちゃんとカットしましたが(爆)
やっとヒロインちゃんの心の闇に光が見えてきましたよ。
でも次回、とんでもないことが発覚しちゃいます!
――まぁだいたい予想ついちゃうかもだけど(><)













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